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2003/12/23
プロファイリングの生みの親、J・ダグラスは、「プロファイルは予想ではなく経験である」と述べている。つまり、過去の事例を組み上げることで犯人像を絞り込む。下記の犯人像は、福岡の一家四人殺害事件を考慮に入れておらず、基本的に朝倉幸治郎とT・チェイスの事例を参考にしている。
複数の犠牲者がいる殺人の場合、単独犯が圧倒的に多い。それは数人殺害すればほぼ死刑確定であり、一緒に死刑になることを容認できる程に高度な信頼関係を構築することが一般的にかなり困難であるためだ(暴力団や宗教団体を除く)。それに加え、高いリスクを乗り越えさせるような強い動機を共有することも単独犯に比べてはるかに困難である。
下記にも述べた通り、孤独な人間でも全く人と接触しないということはあり得ない。犯人との密接な信頼関係を崩壊させる程に懸賞金の額は多くなければならない。また、本当に支払われるのかという疑念がある限りは密告を誘発することが難しいと思われる。
司法取引が(表向きは)存在しない以上、民間人がやるしかないので、懸賞金の支払いを弁護士に任せるのがいいかもしれない。弁護士であれば顧客の機密保持義務(刑134)と黙秘権(憲38-1)に基づいて、情報提供者が逮捕されることを回避できるかもしれない。
2002/12/30
事件から2年が経過した。私は以前から懸賞金をかける事を提案していたが、最近になって家族が200万を出すことにしたそうだ。私はこの金額では少ないと感じている。人によって額は違うだろうが、家族や友人を裏切ってまで「密告」させるだけの金額でなければらない。また、密告したことが完全に秘匿されるという確約が必要だ。確約が無理な場合、ワイドショーに囲まれて社会生命を絶たれても生きていけるだけの金額となり、さらに額が上がることになる。
国家公務員の平均年収は約600万で年間労働2000時間で割ると自給3000円となる。200万という金額は66人を10時間使った場合の1日の費用でしかない。警察が24時間体制であり、間接費も考えると、実際には、1日の費用にもならないだろう。5000万を税金から出しても裕福な世田谷区民から異論が出るとは思えない。
また、情報提供を呼びかけている市民団体も、寄付を募って懸賞金に回す戦略に転換したほうがいい。ワイドショーを利用すればかなりの金額がすぐに集まるだろう。方向の間違った情熱は、ただの自己満足に陥る。
2001/07/01
事件から半年が経ったが、警察がリークしている情報の質から考えると、捜査は完全に手詰まりになっていると思われる。
私は現場でこの事件の捜査に携わったわけではないので、メディアというフィルターを通して事件を見るしかない。また、解剖報告書をみていないので、最も重要である死体の状況が不明であり、間違える可能性が高い。特に女性の被害者2人が、性的な暴行を受けていたかどうかは、決定的に重要だが、マスコミの自主規制と家族への配慮により、情報が秘匿されているかもしれない。(性的動機はないと仮定した)
さらに犯行が連続しておらず本質的にプロファイリングに適さない。ただ、プロファイリングを研究する以上、限られた情報の下であっても試してみる価値はあると考えた。
なお、このページに関しては、犯人が捕まり、犯人像が全く違うものであったとしても、サイトが存続する限り、削除・変更はしない。 下記は成城署の事件ファイル。心当たりのある人は、直ぐに連絡していただきたい。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/jikenbo/seijo/seijo.htm
============== 結論 ================
- 精神に障害のある10代後半から35歳までの男性。
- 共犯者はおらず、完全な単独犯。
- 犠牲者一家とは、全く面識はない。
- 誇大的妄想を持つ重度の精神分裂病に加えて、反社会性・回避性・妄想性など一つ以上の人格障害にも該当する。易怒性は妄想に基づくもの。
- 動機は「ない」、または妄想に基づく復讐等。
- 自分独自の宗教を作り上げている可能性がある(黒いハンカチは宗教的儀式か、弔意を示すもの)。
- (怨恨・強盗・窃盗)
+ 証拠隠滅の可能性はない。
- 背は175cm以上、体重は70kg以上と大柄。
- 住居は現場から50km以内だが、半径5km以内には住んでいない。
- 学歴は、高校または大学の中退者だが、知能は高い。
- 在学中の成績は比較的よかった。
- 集団行動を嫌い、周囲の記憶に残らない。
- 陰鬱で孤独を好む、おとなしい性格。
- 移動手段は自転車か小型バイク。
- 前科なし。
- 生殖機能に異常はないが、女性と付き合うことはできない。
- 前頭葉に異常がある。
- 一人暮らし。家族を含め同居者はいない。事件後も同じ場所に居住している。
- 交友関係はあったとしても極めて少ない。
- 未婚。
- 生活保護等なんらかの公的支援を受けているか、家族から送金を受けているため、外出することはほとんどない。
- 無職、または他人とあまり接しない職業(例:トラック運転手)についている。
- 人種は日本人とは限らない。
- 自首する可能性は全くない。
- 自殺や事故により既に死亡している可能性がある。
この事件には「秩序型・無秩序型」の分類は適さない。犯人は精神的障害があるとはいえ、自らの行動や状況を客観的に判断する能力もまだ残している。
無抵抗の子供二人を殺害している点、顔面を何度も刺すという手口から言って、強盗犯・窃盗犯が証拠隠滅を図ったと考えるのは無理がある。持ち去った20万円は殺害後に「ついでに」持っていっただけだろう。動機無しに4人を殺害したこと、8歳の女児を十数回刺すという手口、殺害後に血のついた手でアイスを3個食べたこと、等々から言えば、何らかの精神異常があると考えるのが自然だ。
精神分裂病の平均的発生年齢と悪化するだけの経過期間を考えると年齢は15-35歳だが、情報が少な過ぎるため年齢を狭い範囲に特定するのは不可能だ。
犯人は殺害自体に快感を感じているわけではないが、反省はしていない。ただ、妄想の部分を除けば、正常な人格が残っているため、倫理的呵責はある程度感じている。よって、動物を虐待したり、首を切断して射精するタイプの加虐的異常者ではない(近所で発見された動物の死体は本件とは無関係)。しかし、病状から考えて再犯の可能性は極めて高い(起こるとすれば本件現場から30km以内だろう)。
精神病院への入院歴があるかもしれないので病院を当たってみるのは有益だが、入院歴がないこともあり得る。
犯人の性格は極度に陰鬱で孤独を好み、社会に適合できないため、高度な教育を修了することはできず、無職で一人暮らしだろう。例え職に就いていたとしても、高い知能に見合う高度な知的職業を継続することはできず、対人能力の欠如から人間関係やチームワークを必要としない単純な労働に就かざるを得ない。
経済状態が貧しいため、犯行後に自宅から逃亡しているとは考えにくく、犯行後に親族等の家へ一時的に居候したとしても長くは居られず、自宅に戻ることになる。ホームレスでないとすれば、自宅の家賃は親類からの送金、または生活保護や障害者年金など何らかの公的支援で払っている。
無職(と同様の状態)で自宅にこもっているため、外出することはほとんどない。他人と長期にわたって安定的な人間関係を持つことができないため、結婚はしておらず、交友関係は極めて限定されている。
犯行についての意識は「悪いとは思うが仕方がなかった」
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捜査方法 ===============
どんなに孤独を好む性格でも、人間が完全に孤立して生活することは絶対にありえない。
また、孤独で閉じこもる人物である以上、夜中に集団でたむろするタイプの少年から指紋をとっても意味はない。
今後の捜査方針として検討されるべきなのは、現行システムでは無理かも知れないが、情報提供者との司法取引(刑事免責)と5000万程度の懸賞金だ。金額は「裏切り」を誘発できる程度に高額でなければならない。
警察では近代的な複式簿記が採用されておらず、実質的に経理が存在しないため、実際の費用は誰にも分からないはずだが、捜査費用は1日500万程度はかかっているはずで(150人×2.5万円 + 諸経費)、すでに10億円程度の費用は投じられているだろう。こうした点から単純に考えれば、1年はやく捕まれば20億節約できることになり、15年捕まらないとすると、数十億を浪費することになる。費用的観点からも懸賞金の方がはるかに安く済む。
懸賞金が捜査の行き詰まりを宣言する結果になるなら、被害者の遺族に資金を出せばいい。テレビ局主催で寄付金を集めるように働きかけるのもいいだろう。
犯人は現場から遠くない場所に住んでいるとはいえ、自宅に閉じこもり、人間関係が犯人と類似の人物に限定されていて、さらに同居していない身内が疑わないか無関心だとすると、現在行われているような聞き込みや指紋採取で手がかりがつかめる可能性は全くない。
ユナボマー事件で、長いこと山奥に単独で住んでいた元大学教授カジンスキーは、実の弟に書いた手紙がきっかけで逮捕された(弟は懸賞金100万ドルを受け取った)。
犯人とわずかながらに接点を持つ人間に協力を求めるしか有力な方法はありえないが、彼らが表に出ることを好まないタイプである可能性が高い。捜査官達がどんなに優秀で情熱的でも、捜査方針が間違っていれば結果は出ない。
ニワトリを素手で捕えるのが難しいなら、エサをまいて待てばいい。
2001/07/01
プロファイル研究所管理人
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